【ホテル】 THE POOL 『MAITAI』 ニューオータニ(赤坂見附)
平日の仕事帰りの待ち合わせ。
“水着だけ持ってきて”というリクエストだった。
今年はまだ海もプールも行っていない、そうぼやいていたことへの気散じなのかもしれない。
赤坂見附で待ち合わせをした後、向かったのはホテルニューオータニのTHE POOL 『MAITAI』。ターコイズブルーにライトアップしたプールは、まるで南国にいるような気分にさせた。生ぬるい夏の夜風に、生演奏のジャズの音色が乗っていく。
二十時のプール。さざ波のように聴こえるのは、都会の大人たちの囁き声。
デートの場をプールサイドに場所を移しただけ。
そんな思いつきの優雅さで、泳ぐわけではなく、最後の夏の雰囲気だけを楽しんでいるようだった。
ホテルのプールのビジター利用は、土日はひとり1万円程度かかるのが相場だ。その割に、人で溢れ返っており、はしゃぐ子供の嬌声にげんなりすることもある。しかし、平日のナイトプールを使用すると半額以下で楽しめる上に、大人が多く静かに利用できることは、意外に知られていない。時間は18時から22時の4時間だが、十分だ。めいっぱい泳ぎたいわけじゃない。水の中で触れる肌の温かさを感じたいだけなのだ。
水中から上がって、白いガウンに包まれながらデッキチェアに横になると、月がまるく輝いていた。濡れた頬を月光と風が撫でる。身体のほてりが取れたら、どこかへ食事に行こう。水滴でくずれたお化粧を気にしなくていいように、レストランの照明は暗めがいい。できればまじまじ見える正面ではなく、横に座るカウンターがいいな、というのは女性の隠れた本音だ。
麻布十番の「月光浴」にしようか迷って、赤坂「いやま」に行くことにした。間接照明があかりを落とすカウンターでいただく炭火焼鳥。雰囲気も良いし、味もなかなか。特製の鳥スープが、プール後の体にじんわりしみた。
夏のプールデートを楽しめるのはあと二週間。
■シティホテルのプールで過ごすデートプラン(デート通.jp)
■ニューオータニ MAITAI 「Summer night poo」
入場料の4000円にタオルやガウンもレンタルも含まれているので、水着ひとつで気軽に寄れるのが魅力。
ちなみに土日のビジター利用は一人20,000円。
【バー】 鉄道バー パノラマ (銀座)
ブルートレインから名前をとったオリジナルカクテル「あさかぜ」。
グラスの前を、何度も過ぎゆく模型の車両を見ながら思う。
窓から漏れるオレンジ色の灯り。
その奥にみえる家族の影。
時おり響く、踏切の警報音。
子供のころ家路を急ぐ夕暮れを思い出し、なんだかセンチメンタルな気持ちになる。
懐かしさに心が緩んだところに
「今度の連休、電車でどこか行かない?」
なんて誘いをかけるのも、ありかも知れない。
http://www.ginza-panorama.com/
【創作】 TYハーバーブルワリー (天王洲)
その代表ともいえる店が「TYハーバーブルワリー」だ。
いまさらこのブログに紹介するのも照れくさいような有名店だが、時期モノなのであえて書く。
天王洲という土地は、仕事などの縁がない限り、あまり足を向けない場所かもしれない。
かつて倉庫が立ち並んだこの地は、ウォーターフロントとして開発が進んだ。ガラス張りのビル、白い壁、直線等で構成された街並みは、都会らしくもあり非日常的でもある。その美しい景観は、ドラマやCMの撮影によく使われ、現にこの日も大規模なロケを店のそばで行っていた。
この運河岸にある寺田倉庫(国が認定したトランクルーム第1号企業)の倉庫として使われていた建物は、1997年に醸造設備をもつブルーワリーレストランに生まれ変わった。その隣にある水上に浮かぶラウンジ・レストラン「ウォーターライン」も同社が手がけた、東京都初の民間による水上利用プロジェクトで2006年にできたものだ。
これらのレストランの高い評価ポイントは、そのロケーションがドラマのワンシーンのような美しさだけでなく、料理が美味い所にもある。その建物の中で醸造された『天王洲エール』を楽しむこともできる。醸造されるクラフトビールは常時5~6種類。
恋人とオープンテラスで食事をし、夏のにおいを謳歌する。
エール片手に、揺れる水面をほろ酔い気分で眺める。
そんな季節が、もうすぐそこに来ている。
仕事をこなしオフも謳歌する余裕が出てきた男性に、土曜日の午後に使っていただきたい。
白いパンツにデッキシューズのようなカジュアルさで。気負わず、ラフに行くのがポイントだ。
間違っても、そのあと土日出社をしたりしないように!
■TYハーバーブルーワリー
東京都品川区東品川2-1-3
11:30~14:00、17:30~22:00
03-5479-4555